はじめに:災害からの事業再建と公的支援の重要性
地震、台風、豪雨などの自然災害により事業に被害を受けた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
事業所の損壊や設備の破損からの復旧には、多大な資金と時間を要します。このような困難な状況において、国や地方自治体が提供する補助金・助成金は、事業再建の大きな支えとなります。特に、地域の実情を反映した自治体独自の支援制度は、きめ細やかな対応が期待できます。
本記事では、2026年1月時点で公募が行われている、主に令和6年能登半島地震の被災事業者を対象とした石川県、富山県、新潟県の災害復旧関連補助金について、公式情報に基づき解説します。申請を検討されている事業者様は、必ず公式サイトの公募要領をご確認ください。
【石川県】なりわい再建支援補助金
石川県では、令和6年能登半島地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者等の施設・設備の復旧等を支援し、事業の継続や再建を促進するための「なりわい再建支援補助金」が複数回にわたり公募されています。
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制度名称: 石川県なりわい再建支援補助金(第10次公募)
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対象者: 石川県内に事業所を有する中小企業・小規模事業者等で、令和6年能登半島地震により直接的な被害を受けた者。
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補助対象経費: 事業の再建に必要な施設、設備の復旧費用(建物の修繕、機械装置の購入・修繕など)。
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補助上限額・補助率:
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中小企業者等:5億円(補助率:3/4以内)
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小規模事業者:3,000万円(補助率:3/4以内)
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公募締切: 2026年3月31日(消印有効)
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公式サイト・申請詳細: 石川県 商工労働部 経営支援課
申請時の注意点
本補助金の申請には、市町が発行する「罹災証明書」または「被災証明書」の写しが原則として必要です。また、復旧にかかる費用の根拠として、複数者からの見積書の提出が求められる場合があります。被害状況を証明するため、被災直後の写真を日付入りで撮影・保管しておくことが極めて重要です。
【富山県】被災中小企業等再建支援事業費補助金
富山県でも、地震により生産設備や販売拠点等に被害を受けた中小企業者等の事業再建を支援する制度が設けられています。
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制度名称: 富山県被災中小企業等再建支援事業費補助金
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対象者: 富山県内に事業所を有し、地震により事業用資産に直接的な被害を受けた中小企業者等。
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補助対象経費: 事業再建計画に基づき実施される施設・設備の整備、改修、購入等に係る経費。
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補助上限額・補助率: 3億円(補助率:原則として3/4以内)
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公募締切: 2026年2月28日
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公式サイト・申請詳細: 富山県 商工労働部 経営支援課
申請時の注意点
事業再建に向けた具体的な計画書(事業再建計画)の提出が求められます。復旧後の事業の見通しや地域経済への貢献度なども審査のポイントとなる可能性があります。商工会・商工会議所などの支援機関と連携し、計画の妥当性を高めることが採択への鍵となります。
【新潟県】令和6年能登半島地震復旧・事業再建支援事業
新潟県では、地震による直接被害または間接被害(サプライチェーンの寸断、観光客の減少等)を受けた事業者の事業継続や復旧を支援しています。
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制度名称: 新潟県令和6年能登半島地震復旧・事業再建支援事業
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対象者: 新潟県内に主たる事業所を有し、地震により直接的または間接的な被害を受けた中小企業・小規模事業者。
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補助対象経費: 施設・設備の修繕・入替費用、販路開拓に係る費用(ECサイト構築費、広告宣伝費など)。
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補助上限額・補助率: 1,000万円(補助率:2/3以内)
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公募締切: 2026年3月15日
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公式サイト・申請詳細: 新潟県 産業労働部 商業・地場産業振興課
申請時の注意点
新潟県の制度は、直接的な物理被害だけでなく、売上減少などの間接的な被害も対象に含んでいる点が特徴です。間接被害で申請する場合は、地震発生前後の売上高を比較できる帳簿や試算表など、被害の事実を客観的に証明する資料の準備が不可欠です。
災害復旧補助金申請における共通の重要ポイント
地域や制度によって要件は異なりますが、災害復旧関連の補助金申請には共通する重要なポイントがあります。
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公募要領の精読: 最も基本的なことですが、対象経費の範囲、必要書類、申請手続きの流れなど、公式の公募要領を隅々まで確認してください。不明点は必ず担当窓口に問い合わせましょう。
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被害状況の証拠保全: 被災した建物や設備の写真は、片付けを始める前に必ず撮影してください。「全景」「被害箇所が分かる寄り」「型番や品番が分かるもの」など、複数の角度から日付入りで撮影することが望ましいです。
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証明書類の早期取得: 「罹災証明書」や「被災証明書」は、申請の根幹となる書類です。発行には時間がかかる場合があるため、速やかに自治体の担当窓口で手続きを行ってください。
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補助金交付決定前の発注・契約は原則NG: 多くの補助金では、補助金の「交付決定通知」を受け取る前に発注・契約した経費は対象外となります。スケジュール管理には細心の注意が必要です。
まとめ
災害からの事業再建は、精神的にも経済的にも大きな負担を伴います。今回ご紹介した自治体の補助金は、その負担を軽減し、事業継続への道を切り拓くための重要な支援策です。各制度には予算の上限や公募期間が定められていますので、対象となる事業者様は早めの情報収集と準備に着手されることをお勧めします。
本記事の情報は2026年1月18日時点のものです。最新かつ詳細な情報は、必ず各自治体の公式サイトにてご確認いただきますようお願い申し上げます。一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。